令和6年3月1日スタート 戸籍謄本が最寄りの役場で取得可能に!?広域交付制度を解説します

戸籍の集め方という動画をYouTubeでアップしましたが、実は、令和6年3月1日より、「戸籍証明書の広域交付制度」が開始しました。動画では、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を集めるのが大変なんですよというお話をしましたが、この制度を利用すれば、最寄りの市区町村の窓口で、戸籍が揃ってしまうという便利な制度です。今回は、この広域交付制度を、実際に取得してみた体験をもとにご紹介します!

令和6年3月1日スタート「広域交付制度」とは

「広域交付制度」を簡単に説明すると、本籍地の役場ではない最寄りの市区町村役場の窓口でも、戸籍謄本が取得できるようになるという制度です。本籍地が遠方の場合でも、最寄りの役場で戸籍が取得できるので便利です。

相続手続きの第一歩は、とっても手間と時間のかかる戸籍の収集です。これが、最寄りの役場で一発で済んでしまうとなると、戸籍収集のハードルは一気に下がりますね。

広域交付制度で取得できる戸籍とは

「広交付制度」で取得できる戸籍は、ご自身のものだけではなく、夫や妻といった配偶者、父母、祖父母といった直系尊属、子孫といった直系卑属の戸籍も請求することができます。

  • 本人
  • 配偶者
  • 直系尊属(父母、祖父母など)
  • 直系卑属(子、孫など)

広域交付制度の注意点

先ほど、請求できる戸籍の範囲を紹介しましたが、取得できない戸籍もあります。兄弟姉妹やおじ、おば、甥や姪の戸籍は「広域交付制度」で取得することはできませんので、従来通りの方法で、本籍のある役場にそれぞれ請求する必要があります。また、コンピュータ化されていない、一部の戸籍(除籍)や住所の履歴が記載された「戸籍の附票」については、広域交付制度では取得することができませんので注意が必要です。

なお、相続手続きのために戸籍を集める場合は、全員が記載された戸籍謄本を取得するので問題ないですが、戸籍に記載されている一部の人についてのみ記載された戸籍抄本も請求することはできません。

「広域交付制度」の利用方法

戸籍証明書の広域交付制度を利用するためには、請求者本人が、最寄りの市区町村役場の窓口に行って、手続きする必要があります。重要なのは、請求者本人が窓口に行かなければいけないため、いくら委任状があっても、親族が代わりに出向いたり、私たちのような士業による職務上請求でもこの制度は利用できません。

窓口に行って手続きをする際は、本人確認が取れる、運転免許証やマイナンバーカードを持っていってくださいね。

まとめ

戸籍の収集がとっても便利になる、広域交付制度。しかし、戸籍を取得した後には、きちんとその戸籍を読んでいく作業が必要になります。戸籍の収集は自分で行い、戸籍を読み解く作業は専門家に任せるという活用の仕方もいいかもしれませんね。

宅地建物取引士・行政書士・賃貸不動産経営管理士・FP2級など不動産に関する資格を複数保有。
不動産売買の女性営業として、チェーン店全国1位の契約件数をおさめるなど実績と経験を積む。
 よりお客さまに寄り添った、質の高い不動産サービスを提供するため、不動産売買専門の不動産会社(株式会社 SMILE HOME)と不動産に関する諸手続きや相続を専門に取り扱う行政書士事務所( 行政書士事務所SMILE OFFICE)を設立。不動産に関する情報をわかりやすく発信する活動にも力を入れている。

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