売主様にとっては、いかにして売却にかかる経費を節約するかは気になる話題ですよね。今回は、お引っ越しをされたり、ご結婚をされたりして、住所や氏名が登記簿記載の情報から変わってしまったという売主様向けに、登記名義人の変更登記を自分でやってみる方法を解説します。令和3年4月の不動産登記法の改正により、住所・氏名の変更登記が義務化されることにもなりましたので、これを機に変更登記をされていないという方は変更登記しておきましょう。
登記名義人の表示変更登記とは何か
登記名義人の表示は、画像の赤枠のところに記載されています。ここに記載されている情報は、不動産の購入や相続時に登記をした時点の情報であるため、登記名義人が引っ越しをしたり、婚姻をしたりして、住所や氏名に変更があった場合は、新しい情報を登記する手続きが必要です。この登記のことを登記名義人の表示変更登記と言います。きちんと変更登記がなされていなければ、情報は古いままです。この変更登記を怠っていても、今までは罰則がなかったため、そのままになっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、今後は義務化されていきますし、不動産を売却するときには、きちんと表示変更登記をする必要があります。不動産を売却しますよと申請している売主と登記名義人が同一人物であることがわからなければ、登記所もその登記申請を受け付けるわけにはいきません。登記名義人の住所と氏名が、現住所や氏名(印鑑証明書の住所と氏名)と一致していることは、不動産を売却する上で必須となります。
表示変更登記をする方法
表示変更登記をする方法は、2通りあります。
一つは、司法書士の先生にお願いする方法です。多くの売主様は、不動産売却の際に、買主様が依頼した所有権移転を行う司法書士の先生に依頼して、表示変更登記も一緒にお願いしてしまうことがほとんどかと思います。その場合、費用は2万円程度が相場です。売主様にとっては手間もかかりませんし、手っ取り早い方法です。
もう一つは、自分で手続きする方法です。表示変更登記は、決して難しくありませんし、書式や記載方法まで、丁寧に法務局のホームページで公開されています。時間に余裕のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。ご自身でお手続きをされる場合の費用は登録免許税のみで済みますので費用を抑えることができます。土地1筆・建物1つの場合、1,000円の登録免許税2件分で2,000円ですので約10分の1の費用で済みますね。
自分で住所変更登記をしてみる
ここで、住所変更登記の方法を簡単にご紹介します。
必要なもの
・申請書
・引っ越しが1回の場合住民票・2回以上の場合戸籍の附票
手順
まずは、住民票または戸籍の附票を取得しましょう。住民票は、お住まいの市区町村の役場で、戸籍の附票は本籍地のある役場でそれぞれ取得できます。登記簿の住所から、現住所まで途切れることなくつながることが必要であるため、お引越しが1回であれば住民票、2回以上の場合は戸籍の附票を取得しましょう。
次に、法務局のホームページから申請書をダウンロードして作成しましょう。記載例が一緒に掲載されていますのでその通り作成するだけでとっても簡単です。
登記されている住所・氏名に変更があった方へ (住所変更登記・氏名変更登記の申請手続のご案内)
申請書が完成したら、取得した住民票、または戸籍の附票を添付して法務局に申請しましょう。この際登録免許税を収めるために収入印紙を購入して申請書に貼付します。収入印紙は郵便局や法務局で購入することができます。なお、オンライン申請もできますが今回は解説を省略します。
申請が完了したら、あとは法務局からの完了連絡を待つだけです。不備があった場合は、補正の連絡がありますので対応しましょう。
最後に
いかがでしたか?なじみのないことなので難しそうに感じてしまいますが、やってみると意外と簡単です。司法書士の先生にお願いするメリットは、時間や手間をとられず申請が完了することです。決済まで時間がないときにご自身でやる!というのは買主様にもご迷惑をかけてしまうのでNGですが、お時間がある方はチェレンジしてみてもいいかもしれませんね。