【YouTube配信中】相続登記や住所等の変更登記の 申請が義務化!いつから?罰則は?宅建士が解説します

全国で問題となっている所有者不明の不動産。2020年度の国土交通省の調査によると、全国における所有者不明土地の割合は24%に上るようです。今後もまだまだ増える見通しです。所有者不明の不動産は、管理する人がいないため、草木が伸び荒れていきます。また、空家で置いておくことによる火災のリスクや第三者による不法侵入等の問題も起こります。

このような、所有者不明土地のうち63%が相続登記の未了によって、33%が住所変更登記の未了によって所有者が分からないという状況となっています。このような状況から、所有者不明土地の問題を改善するために、相続登記や住所変更の登記が義務化されることになったのです。

いつから義務化されるのか

所有者不明土地を解消するために、「民法等の一部を改正する法律」ならびに「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」の制定が行われました。これによって、「相続登記の申請の義務化」は、2024年4月1日から施行され、「住所変更登記の義務化」は、2026年4月までに施行されることとなりました。義務化は、目前まで迫っています。

いつまでに相続登記や住所等の変更を行えばよいのか

相続によって不動産を取得した場合、不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。なお、相続登記が義務化される前に相続した不動産についても、改正法の施行日から3年以内に相続登記を行う必要があります。

また、住所変更や氏名の変更の登記については、登記簿の名義人の住所や氏名に変更があった日から2年以内に登記申請をする必要があります。この住所や氏名の変更登記についても、義務化前に変更があっている場合、改正法施行日から2年以内に行わなければなりません。なお、住所や氏名の変更登記は比較的簡単にできますのでご自身でされるのも良いと思います。

他の記事にて、住所変更などの登記の方法を上げていますのでそちらも参考にされてください。

登記申請を期限内にしなかった場合、罰則はあるの?

申請期限内に登記申請をしなかった場合、ペナルティが課されます。先ほど解説した期限内に申請をしなかった場合、相続登記については10万円以下の過料、住所変更等の登記は5万円以下の過料の適用対象となります。ただし、今のところ期限が過ぎたら即過料が課されるということはないようで、期限が過ぎて申請がなされていない場合は、まず相続人等に対して書面で催告され、催告を受けてもきちんと申請を行えば裁判所への過料通知はなされないようです。とはいえ、時間が経てば経つほど、申請は複雑になっていきますから、早めに完了させることは大切ですね。

相続登記の申請期限

 

登記申請したいけど、遺産分割協議がまとまらない!

遺産分割協議が整わず、相続登記を行いたくてもできないという場合は、「相続人申告制度」を利用しましょう。相続人申告登記とは、相続が開始したということと自らが相続人であるということを申し出ることにより、法務局にて相続が開始したことと申請をした相続人の氏名及び住所その他定められた事項を所有権の登記に付記する制度です。これによって、義務を果たしたとみなされますので過料の対象にはならなくて済みますが、遺産分割協議が無事整った際には、遺産分割協議成立の日から3年以内に相続登記の申請をする必要はありますのでご注意ください。

最後に

弊社は、空き地空き家対策に力を入れて地域に貢献することを目指しており、所有者不明土地が解消されるための法改正はとても良いことだと思います。眠っている不動産がこれから市場に流通するといいですね。最後に、1つ。相続登記が義務化されたからと言って、とりあえず相続人全員の共有名義にすることはお勧めしません!共有名義での相続登記は、遺産分割協議を先送りしているだけであるため、相続人のうちの誰かが亡くなった場合、代襲相続が発生し、どんどん関係者が増えていきます。そうなってくると、全員の統制をとることも難しくなり、手続きも複雑、費用も高額にという考えただけでも憂鬱になる事態が起こります。そのようにならないために、弊社でもご相談を受けておりますので、お気軽にご相談ください。

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宅地建物取引士・行政書士・賃貸不動産経営管理士・FP2級など不動産に関する資格を複数保有。
不動産売買の女性営業として、チェーン店全国1位の契約件数をおさめるなど実績と経験を積む。
 よりお客さまに寄り添った、質の高い不動産サービスを提供するため、不動産売買専門の不動産会社(株式会社 SMILE HOME)と不動産に関する諸手続きや相続を専門に取り扱う行政書士事務所( 行政書士事務所SMILE OFFICE)を設立。不動産に関する情報をわかりやすく発信する活動にも力を入れている。

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