【YouTube配信中】3,000万円特別控除だけじゃない!居住用財産(マイホーム)を売った場合の特例

 

 

 

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居住用財産を売却し、譲渡益が出た場合、その譲渡益には譲渡所得税がかかります。ざっくり言い換えると、家を売却し、売却額から購入費用や諸費用、売却費用を差し引いても利益が残る場合、その利益に対しては税金がかかります。譲渡所得税については、こちらの記事で解説していますので、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

今回の記事では、まず、居住用財産(マイホーム)とは何かを説明し、どのような場合に特例が適用されるかを紹介します。その後、譲渡所得税を軽減するために利用できる3つの軽減措置の特例について解説します。各特例の詳細は長くなってしまうので、今後、それぞれ別の記事でご紹介していきたいと思います。記事を追加したらリンクを追加していきますのでそちらからご覧ください。

そもそも居住用財産とは何か

居住用財産とは、居住の用に供している家屋とその敷地を指します。ご自身が住んでいる家とその敷地ですね。一時的に利用している仮住まいや別荘、また特例の適用を受ける目的で居住したと判断された場合などは、居住用財産とは認められません。

特例の適用となる居住用財産の譲渡(売却)とは何か

次に特例の適用となる居住用財産の譲渡(売却)はどのような場合かを見ていきましょう。各特例によって適用条件が追加される場合もありますが主なものを紹介します。

自分が住んでいる家屋または、家屋とともにその敷地を売ること

ご自身が住んでいる(住んでいた)家屋である必要があります。なお、原則は、家屋、家屋とともにその敷地を売却することが必要ですが、災害などで家屋が滅失してしまった場合は、特例の適用期間内にその敷地だけを売った場合も特例の対象となります。

すでに転居している場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること

すでにお引越しをしている場合は、適用に期限がありますので注意しましょう。なお、転居してから売却をするまでの間に、その家屋を貸し出していたり、事業用に利用したりしていても特例の適用を受けることができます。

家屋を取り壊した日から1年以内に売買契約を締結し、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに引き渡すこと

家屋を解体し、敷地を売却する場合は、売買契約を解体の日から1年以内に締結する必要があります。また、家屋と敷地をセットで売却する場合と異なり、建物解体後に敷地を貸し出したり、事業用に利用してしまうと特例の適用が受けられなくなるので注意しましょう。

譲渡(売却)益が生じた場合の特例3種類

では、具体的にはどのような特例があるのか見ていきましょう。ここでは、制度のご紹介と概要だけにとどめ、詳細は別記事としたいと思います。

居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除

これは居住用財産(マイホーム)の所有期間に関係なく、居住用財産を売却した場合は、3,000万円(譲渡益が3,000万円に満たない場合は譲渡益の金額まで)の特別控除が受けられます。お住まいを売却して得た利益が3,000万円以下であれば、この制度を利用すれば、譲渡益が発生しなくなり、譲渡所得税はかかりません。

これと似た制度で、「被相続人の居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除」もあります。これについては、別記事2つで紹介しています。

所有期間10年超の居住用財産を売却した場合の軽減税率の特例

この制度は、譲渡した年の1月1日において所有期間が10年超かつ、住んでいた期間が10年以上の居住用財産を売却した場合に、税率20%が軽減されるというものです。この特例は、先ほど紹介した「居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除」と併用することができます。

特定の居住用財産の買換え特例

この制度は、譲渡した年の1月1日において所有期間が10年超かつ、住んでいた期間が10年以上の居住用財産を売却し、新たに居住用財産を購入した場合、課税の繰り延べが受けられます。この制度は、税金がかからないわけではなく、売却の時点では課税しないが、買い換えた居住用財産を売却するときには、課税しなかった分までさかのぼって課税するという制度です。この制度は、他の制度の利用を検討したほうが良いケースがほとんどだと思うので、実務的にあまり利用しないのではないかと思います。

特例適用の注意点

最後に、特例適用の注意点を見ておきましょう。

売主と買主が親子や夫婦など特別な関係である場合は適用されない

配偶者や直系血族(親・子・孫など)や生計を一にする親族などが買主の場合、特例の適用は受けられません。また、これらの者が経営している会社などを買主とした場合も特例の適用は受けられません。内縁関係にある者が買主の場合も同じです。色々考えると難しくなるので、原則他人同士の売買でなければいけないと覚えておきましょう。

特例の適用は3年に1度だけ

居住用財産を売った場合の特例は、3年に1度しか適用を受けることができません。居住用財産(マイホーム)を頻繁に売却することはあまりないのでこれはほとんどの方はクリアできそうですね。ここでちょっと余談ですが、特例の適用は3年に1度だけですが、同一年中は複数回適用できるようです。ただし、上限は、3,000万円です。実務では、まずないケースでしょうね。

他の特例との関係に注意

居住用財産の特例を利用することで、譲渡所得税を軽減することができますが、特例を利用することによって、他の税金を軽減する制度が利用できなくなる場合があります。例えば、「居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除」と「住宅ローン控除」は併用ができません。今のお住まいを売却して、新たなお住まいを購入される場合は、どちらの制度を利用したほうがお得なのか検討したうえで利用しましょう。

いかがでしたか?売主様にとって譲渡所得税の軽減は、手元に残る金額を左右するため大きな問題ですよね。利用できる制度をしっかり確認して、売却を進めていきましょう。

宅地建物取引士・行政書士・賃貸不動産経営管理士・FP2級など不動産に関する資格を複数保有。
不動産売買の女性営業として、チェーン店全国1位の契約件数をおさめるなど実績と経験を積む。
 よりお客さまに寄り添った、質の高い不動産サービスを提供するため、不動産売買専門の不動産会社(株式会社 SMILE HOME)と不動産に関する諸手続きや相続を専門に取り扱う行政書士事務所( 行政書士事務所SMILE OFFICE)を設立。不動産に関する情報をわかりやすく発信する活動にも力を入れている。

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