【YouTube配信中】最新情報!令和5年度税制改正!被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の3,000万円特例 

令和5年度税制改正大綱が2022年12月23日に閣議決定し、相続人の居住用財産(空き家)を売った時の3,000万円特例についても税制改正がなされることが決定しました。
現行の相続人の居住用財産(空き家)を売った時の3,000万円特例については、別の記事でご紹介していますのでチェックしてください。

では今回は、相続人の居住用財産(空き家)を売った時の3,000万円特例に関する税制改正についてご紹介していきます。

令和5年度税制改正のポイント

令和5年度税制改正のポイントは、以下となります。

1. 適用期間の延長
2. 戸建として売却する場合の耐震リフォームに関する要件緩和
3. 土地として売却する場合の家屋の解体に関する要件緩和
4. 特別控除の額の変更

では、それぞれ見ていきましょう。

適用期限の延長

現行の制度での特例適用期限は、平成28年4月1日〜令和5年12月31日までとされていましたが、今回の税制改正で適用期限が4年延長されています。これによって、適用期限は、平成28年4月1日〜令和9年12月31日までとなることが予定されています。

戸建として売却する場合の耐震リフォームに関する要件緩和

現行の制度の大きなハードルとして、相続した家屋を中古戸建として売買する場合は、一定の耐震基準を満たす必要がありました。そもそもこの制度の対象となっている家屋は、昭和56年5月31日以前に建てられた家屋であるため、耐震基準を満たしていることはほとんど期待できません。そのため、この制度を適用できるようにするためには、売主様にて耐震リフォームを施し、買主様に売り渡す必要があります。これは、現実的にかなりハードルが高いですよね。耐震リフォーム費用は高額となることが予想されますし、いくらで売却できるか分からない状況かつ期限内に売る必要があるという状況下ではリスクが高すぎて私はおすすめできませんでした。

今回の税制改正では、この点が改正されています。令和6年1月1日以降に売却を行う場合は、売却した日(譲渡日)の属する年の翌年2月15日までに、買主様にて耐震リフォームを実施して耐震基準を満たすことができれば、特例の適用の対象となり条件が緩和されています。これは、大きな改正ポイントですね。ただし、注意が必要なのは、売却した日によっては、リフォーム実施までの期間が短くなってしまうことです。売主様の本制度利用の期限と買主様のリフォームスケジュールを考慮して、計画的に売却を進める必要があります。

土地として売却する場合の家屋の解体に関する要件緩和

次に土地として売却する場合について見ていきましょう。現行の制度では、土地として売却する場合も、戸建として売却する場合と同様、買主様に引き渡す前に、売主様にて建物を解体する必要がありました。これも今回の改正によって緩和されます。

令和6年1月1日以降に売却を行う場合は、売却した日(譲渡日)の属する年の翌年2月15日までに、買主様にて建物を解体すれば良くなるため、事前に売主様が解体費用を負担する必要がなく古家付土地として売買することが可能になります。ただし、家屋として売却する場合同様、売却した日によっては、解体実施までの期間が短くなってしまうため、売主様の本制度利用の期限と買主様の解体スケジュールを考慮して、計画的に売却を進めることは必要となります。

特別控除の額の変更

最後に、特別控除の額についても変更がありましたのでご紹介します。相続人が2人までの場合は今までと変わりないのですが、相続人が3人以上いらっしゃる場合は特別控除の額が変わってきますので注意が必要です。現行の制度では、特別控除額3,000万円となっており、これは相続人が複数いる場合はそれぞれ控除額3,000万円が適用されていました。しかし、改正後は、相続人が3人以上いる場合、相続人一人当たりの控除額は2000万円に引き下げられます。

相続人が3人以上いる場合、売却の時期が令和5年中になるか、令和6年になるかによって控除額に差が出てしまいますので注意しましょう。具体的には、相続人3人の場合、令和5年の売却であれば、3000万円×3人=最大9,000万円の控除となるところが、令和6年の売却となると2000万円×3人=最大6,000万円の控除となり3000万円の差が出てしまします。弊社がメインエリアとしている宗像市近郊では、一般的なお住まいの売却でここまでの控除を必要とするほどの譲渡所得が発生するケースは稀ですが、譲渡所得が高額となることが予想だれる場合は早めの売却を検討した方がよさそうですね。

まとめ

いかがでしたか。税制や補助金などの制度は、さまざまな改正が頻繁に行われているため都度確認することが必要です。全ての不動産屋さんが把握しているとは限りませんし、税金に関しては税理士さんが専門の分野となります。ご自身でしっかり最新の情報を確認し、税務署や税理士、それぞれの窓口などで確認をしましょう。弊社では、概要をご説明し、必要に応じて税理士さんやそれぞれの窓口へお繋ぎしています。よく分からないという場合はお気軽にご相談くださいね。

宅地建物取引士・行政書士・賃貸不動産経営管理士・FP2級など不動産に関する資格を複数保有。
不動産売買の女性営業として、チェーン店全国1位の契約件数をおさめるなど実績と経験を積む。
 よりお客さまに寄り添った、質の高い不動産サービスを提供するため、不動産売買専門の不動産会社(株式会社 SMILE HOME)と不動産に関する諸手続きや相続を専門に取り扱う行政書士事務所( 行政書士事務所SMILE OFFICE)を設立。不動産に関する情報をわかりやすく発信する活動にも力を入れている。

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