相続登記をしたら不動産屋さんからDMが届いた!現役宅建士が解説します

親族の方に不幸があり、相続の協議も無事終わり、相続登記を終えると、不動産屋さんからDMが届くことがあります。しかも1社だけでなく何社も届く場合もあります。タイミングが良すぎて、どこかで自分の個人情報が漏洩しているのではと心配になりますよね。私も不動産営業として会社に勤めているときに、「どこで情報を知ったんだ!」なんてお叱りのお電話をいただくこともありました。

今回は、そのようなDMがどのようにして届くのか、現役の宅建士が解説します。

相続登記の情報源はどこなのか?

まず、相続登記情報の一番最初の取得先は「法務局」です。行政機関の保有する情報の公開に関する法律というものがあり、情報公開制度を利用すれば、不動産屋さんのみならず、誰でも情報を得ることができます。手続きから実際に情報を閲覧できるまでタイムラグはありますが、手続きも簡単で、手数料も数百円です。

不動産屋さんがチェックしている情報は「不動産登記受付表」の中の「所有権移転相続・法人合併」となっている情報です。これがいわゆるDMを発送するためのおおもとの情報源となります。この情報を元に、登記簿を取得すれば、現在の所有者の登記簿上の住所と氏名が分かります。

相続登記が完了したら、不動産屋さんからDMが届くようになる理由は、手続きをすれば誰でも登記情報を得ることができるからということです。自分の個人情報がどこからか不正に漏洩しているのではなく、「情報公開制度」のもと適正な方法により、あなたの相続登記情報を確認することができるのです。

情報公開制度について
法務局HPより情報公開制度は、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」に基づき、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、政府の保有するその諸活動を国民に説明する責務を全うするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とするものです。 法務省においても、この制度の趣旨を踏まえ、情報の公開を積極的に進めていきます。
※法務省HP

相続登記情報からDMが届くまで

先ほど、相続登記情報の一番最初の取得先は「法務局」というお話しをしましたが、毎月登記情報を確認して、その情報を元にDMを送るという作業は、かなりの手間と労力がかかります。そのため、実際のところは、登記情報の取得は外注している不動産会社が多いのではないかと思います。登記情報の取得を請け負う業者は、登記情報を取得後、膨大なデータの中から登記情報が相続となっているもののみを抽出し、また、不動産の所在地や所有者の住所氏名をDMを発送できる情報にまとめる作業を行います。DMの発送まで請け負ってくれる業者もいるようです。

このようにして、不動産会社からのDMは、あなたのもとに届きます。情報開示までの時間、情報を整理する時間を経て、DMは発送されていますので、相続登記を行ってからDMが届くまでは、2~3ヶ月後というところです。

まとめ

  • DMを送るためのおおもとの情報源は「情報公開制度」のもと適正に開示された情報である
  • 情報の取得などは外注している不動産会社が多く、DMが届くのは相続登記から2~3ヶ月後

今回は、相続登記から不動産屋さんのDMが届くまでをご紹介しました。大切なご親族の方が亡くなられた後に届く、不動産屋さんからのDMは、あまりいい気がしないこともあるかもしれませんが、1通のDMを出会いに、プロだからこそお力になれることもたくさんあります。DMを送ってきた相手が本当に信用できる相手なのかを考える必要はありますが、DMも一つの出会いとして目を通してみるとあなたの悩みを解決するきっかけになるかもしれませんね。

 

宅地建物取引士・行政書士・賃貸不動産経営管理士・FP2級など不動産に関する資格を複数保有。
不動産売買の女性営業として、チェーン店全国1位の契約件数をおさめるなど実績と経験を積む。
 よりお客さまに寄り添った、質の高い不動産サービスを提供するため、不動産売買専門の不動産会社(株式会社 SMILE HOME)と不動産に関する諸手続きや相続を専門に取り扱う行政書士事務所( 行政書士事務所SMILE OFFICE)を設立。不動産に関する情報をわかりやすく発信する活動にも力を入れている。

関連記事

PAGE TOP